火災と水災は、文字だけ見ると全く関係がなさそうに見えますが、建物が受ける被害としては同じものです。そのため、火災保険では水災もカバーしています。水災と聞いても、どのような損害を受けたら補償されるのかが分からない人も多いので、水災による火災保険補償事例について紹介していきます。
ここでの事例は、損保ジャパン日本興亜の『THE すまいの保険』を契約していた人の話です。水災による補償は、保険会社によって異なることもあるので、自分が加入している火災保険の内容はしっかりとチェックしておきましょう。
台風から始まる大雨によって床下浸水
建物自体はしっかりとしていても、床下浸水による被害を受けることはあります。この火災保険補償事例でもそのケースで、自宅内にどんどん水が入ってきてしまいました。幸いにも風災はなかったのですが、1階部分が水浸しになってしまい、家財道具もかなりのダメージを受けることになってしまったのです。
ただの水があふれただけならともかく、床下浸水の場合は土などを含んだ汚い水なので、洗ったり拭いたりするだけでは元に戻らないものがたくさんあります。今回の事例では、テレビ台の上にあったテレビは無事でしたが、ブルーレイレコーダーなどは壊れてしまいました。
これが自宅にいるときのできごとだったら、まだ対策のとりようはあります。しかし、運が悪いことに旅行中であり、旅行先から戻ったときにはひどいことになっていたのです。テレビなどでも床下浸水の情報は流れていたので早めに切り上げて戻ってきましたが、残ったのは汚水によって大変な状況になってしまった自宅だったわけです。
水災補償の注意点
火災保険の水災補償では、知っておきたいことがあります。それは、ほとんどの火災保険で水災に対して全額補償をしてくれないことです。家財の場合は、再調達価額の30%以上の損害を受けた際に保険金が支払われることになり、最大でも70%までしか支払われません。
不幸中の幸いですが、今回の場合損害を受けたのは家財道具と1階部分のみだったため、家屋が流されるような大損害ではありませんでした。しかし自己負担分や、修理が終わるまでの間の生活などを考えると、大変な状況なのは確かです。
損保ジャパン日本興亜でも、水災については再評価額の30%以上の損害に限った例となっています。それでも水災補償を外さずに契約をしていたため、最悪の事態を防ぐことはできました。基本的に火災保険の水災補償はオプション扱いなので、保険料を安くするためにつけていない人もいます。今回の火災保険補償事例では、その部分が明暗を分けたとも言えます。
水災補償は本当に必要なのかどうかを考えよう
水災補償が絶対に必要なのかというと、そうではありません。自分が住んでいる地域や建物の形態によっては、水災を受ける可能性はとても低いからです。ここでの水災とは、洪水、高潮、土砂崩れなどがあります。
高台に住んでいる人や、マンションの高層に住んでいる人なら、これらの水災を受けることはないと考えて良いでしょう。それ以外の場所に住んでいる人の場合は、過去にその地域で水災があったのかをチェックしてください。そんなときに役立つのは、国土交通省ハザードマップです。各市町村の防災情報が確認できるので、火災保険へ加入する際は、過去の事例と照らし合わせて決めるようにしましょう。
火災保険に加入していても、実際に保険金が支払われるようなトラブルの起こらないことが一番です。しかしそれは、トラブルが起きるはずがないと考えることとは違います。万が一のことに備えつつも、バランスのとれた火災保険へ加入しておくようにしましょう。
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