賃貸マンションやアパート、借家にお住いの場合、不動産業者を通じて契約を結ぶ際に火災保険への加入が条件になっている場合がほとんどです。契約することになるのは家財保険、借家人賠償補償、個人賠償責任保険です。マンションやアパートなどの場合、建物が焼失した場合の責任は居住者ではなく、オーナーが持つことになるため、保険に加入する必要はないように思えるかもしれません。民法の失火責任法でも所有者が責任を負うことが決められています。法律上は、居住者は責任を負わないことになっているものの、仮に火災が発生した場合や、水漏れなどで住居設備などを破損させてしまった場合、居住者にはそれらを修復する責任があります。それはなぜでしょうか。
物件を借りる場合、借主は貸主と賃貸借契約を結びますが、契約条項の中に原状回復義務が含まれています。これは借主が物件を貸主に返却する際に契約時の状態に戻すことを指しています。ですから建物の内装については居住者が責任を負うことになるのです。さらに他の住居に被害が生じた場合、建物の共有部分の漏電などが原因であればオーナーが賠償責任を負いますが、住居からの出火もしくは漏水についての責任は原状回復義務がある居住者になります。
賃貸物件に居住している場合、設定する補償は家財保険です。家財とは保険契約者が所有している家具や電気製品などの動産のことです。具体的には火事で家具や電化製品などが焼失した場合などには、この補償が適用されます。家財保険に加入していれば、落雷などで電化製品が破損した場合にも補償対象になります。保険契約者のための補償が家財保険なのです。家財保険と同時に契約するのが借家人賠償責任保険です。借家人賠償責任保険とは、貸主に対して賠償責任を負ったときの補償です。前述のように借主は貸主に対して建物の原状回復を行う責任があります。
もし自宅から出火し、隣の住居にも延焼してしまった場合には、どうなるのでしょうか。この場合は借家人賠償補償ではカバーできません。このようなケースでは個人賠償責任保険で補償することになります。個人賠償責任保険は日常生活で発生するさまざまなリスクに対応している保険です。火事で焼失させてしまったケース以外にも、漏水により他の住居に損害を与えてしまった場合にも補償対象になります。それ以外にも買い物中に高価なものを落として破損させてしまった場合なども補償の対象です。
各保険会社の相場を見る
賃貸マンションやアパートを契約するときに加入する火災保険は、不動産会社を通じて加入するのが一般的ですが、自分で保険を選んで加入することも可能な場合があります。もし自分で選べるのであれば、そうしたほうが良い場合があります。不動産会社から勧められる火災保険は一般的な相場よりも補償が高く設定されているため、保険料が高い場合があるからです。ライフスタイルに適した補償を設定することで保険料が節約できることがあります。住都公団や公営住宅にお住いの場合、保険加入は任意になることが多く、自分で選ぶ必要があります。どちらの場合でも自分で保険を選ぶ場合には保険の相場を知りたいと思うことでしょう。相場は家族構成や居住形態によって異なりますが、平均的な相場が分かると、保険選びの際に役立ちます。保険料を公開している保険会社が少ないため、事例は少ないですが、保険選びの際の参考にしてください。
日新火災海上保険
日新火災が販売しているのが「お部屋を借りるときの保険」です。インターネット経由で見積もりや契約ができます。補償が分かりやすくシンプルにまとめられているので、保険にあまり詳しくない方でも選びやすくなっています。M構造(RC造)、30歳、家族構成:4人家族(大人2人、18歳未満の子ども2人)、借家人賠償保険2000万円、修繕費用300万円、個人賠償責任保険1億円、法律相談費用30万円の場合、家財保険の金額により保険料は次のようになります。家財保険金額700万円の場合、年間保険料が10000円、800万円の場合、年間保険料が11000円、900万円の場合、年間保険料が12000円です。(4人家族の場合の平均的な家財評価額は800万円～900万円です。)
ジェイアイ傷害火災保険
ジェイアイ火災はJTBとAIGグループの共同出資により設立された損害保険会社です。インターネットでの保険契約ができるため、代理店報酬などの人件費をカットし、割安な保険料で保険商品を提供しています。設立は1989年と比較的新しい保険会社ですが、経営安全性の指標となるソルベンシーマージン比率は業界でも非常に高い1400%をマークしています。M構造(RC造)、30歳、家族構成:4人家族(大人2人、18歳未満の子ども2人)、家財保険補償額900万円、借家人賠償保険2000万円、修繕費用300万円、個人賠償責任保険2000万円の場合、保険料は年間約11000円です。
火災保険MAG
複数の火災保険会社の中からあなたにベストマッチな保険を提案します。相談や現状の確認だけでも大丈夫。保険に加入の義務はありませんのでお気軽にお問合せ下さい。
