Home 火災保険の選び方 火災保険の補償対象

火災保険の補償対象

火災保険は補償対象によって選び方が変わってきます。保険は基本的な部分と特約にわかれているため、リスクに合わせた選び方が大切です。選び方で押さえておきたいのが次の保険でカバーできる7つの対象です。

  • 火災リスク
  • 風災リスク
  • 水災リスク
  • 水漏れリスク
  • 盗難リスク
  • 破損リスク
  • その他のリスク

では、それぞれの特徴詳細を見ていきましょう。

火災リスク

火災保険の基本となっているのが失火による損失のカバーです。どのような原因で火事が起こるかは事前にある程度分かります。

例えばガス器具を使用した後は元栓を閉める、タコ足配線をしない、コンセントの接続部分にほこりがたまらないようにするといったことに注意します。だからと言って万全ではなくいつどこで火災が発生するかを事前に予測できる人はいません。そこで保険を設定して万一に備えるのです。

保険でカバーできるのは火の不始末などで起きる失火による火事、近隣の家や建物が火災を起こし延焼により焼失するケース、放火で火事になるケースです。火災の被害に遭う確率は約4000件につき1件です。確率はそれほど高くないとはいえ、火災で自宅が焼失することによる経済的な損失は計り知れません。ローンだけが残ってしまうという悲惨なケースさえあります。よほどの資産家でない限り、経済的な損失を自前で賄うことができる人はいません。そうしたリスクをカバーしてくれるのが保険の役割なのです。

風災リスク

台風や竜巻(旋風)、突風などを風災と呼びます。日本では近年竜巻が頻繁に発生しています。竜巻による被害を受けて多くの家屋が倒壊したり、屋根が吹き飛ばされたりする光景をご覧になったことがあるかもしれません。

台風による被害も増加しています。台風は豪雨だけではなく突風を引き起こします。時折発生するのが、突風で何らかの物体が飛来して窓が割れたり、壁が壊れてしまったりするケースです。物体の飛来による被害も原因が風災であれば補償の対象になります。

具体的な事例

  • 竜巻による旋風で瓦屋根が吹き飛んだ
  • 台風による突風でガラスが割れてしまい
  • 家電製品が雨に濡れて壊れてしまったと
  • 大雪で家屋が損壊した

上記のようなケースです。雹災や雪災もカバーできる点は意外と知られていなかったりします。異常気象が多発し、かつてないほどの風災リスクが高まっていますから、保険を選ぶ際に風災に対する保険を掛けておきたいと思うことでしょう。

水災リスク

自然災害により発生する洪水や高潮などの被害も予測しておかなければなりません。これらの災害に加えて豪雨による土砂崩れも水災リスクに含まれます。台風による豪雨に加えてゲリラ豪雨による局地的な洪水被害も頻繁に起きるようになっています。

ごく最近では2015年に茨城県常総市周辺を襲った局地的な豪雨は鬼怒川の氾濫を引き起こし、甚大な被害をもたらしました。これまで水が一度も出たことがないと言われていた地域でさえ洪水被害が起きるようになっています。水害による経済的な損失を補うためにも火災保険に加入するのは大切です。水災に含まれる主な状況は次の通りです。

洪水による被害

ゲリラ豪雨や台風、暴風雨などが原因で洪水が発生した場合がこれに当たります。雪解け時期に大量の雪が解け、河川が氾濫し洪水が発生した場合にも当てはまります。用水路や下水の逆流などを含め、浸水による被害を指します。

高潮による被害

高潮は気圧の急激な低下により海面が押し上げられることで発生します。高潮が起きると、海岸付近の住宅が浸水する場合があります。周囲の用水路や河川の水位が上昇し、氾濫することもあります。

土砂崩れによる被害

豪雨により地盤が緩むと、斜面では土砂崩れが発生する場合があります。暴風雨などによる土石流も含まれます。土砂崩れは地震によっても引き起こされますが、火災保険ではカバーできないため、地震保険に加入する必要があります。

水漏れリスク

子どもが室内で水遊びをしていて床が水浸しになったり、洗濯機の排水がうまくいかず水があふれたりして階下に漏水の被害を与えてしまうことを水漏れリスクと呼びます。

水漏れリスクは洪水などによる浸水被害とは異なり、水道設備や排水設備の異常や何らかの過失により引き起こされる被害を指します。上階の住人が引き起こした漏水などによる被害もカバーしてくれます。漏水を起こしてしまうと、家屋の修理が必要になり、賃貸契約の家屋に住んでいる場合は家主への賠償責任が生じることもあります。これらの経済的な損失も保険でカバーできます。

盗難リスク

留守中に空き巣による被害を受けることを盗難リスクと呼びます。

空き巣による被害は急増していて、玄関から侵入するケース以外に、窓ガラスを割って侵入するケースなどが頻発しています。平成26年に警視庁が実施した調査によると、一戸建て住宅の場合、ガラスを破って侵入するケースが空き巣被害の65%を占めています。空き巣被害では床を汚されたり、家財や金庫などが破壊されたりといった二次的な被害も発生します。こうした被害をカバーするためには盗難リスクを考慮する必要があります。

補償される範囲は契約状況によって異なります。家財や絵画などの損害をカバーしてくれるものや、ガラスを割られたり家財を破壊されたりした場合の費用を補てんしてくれるものもあります。対象となるのは動産、不動産の両方です。リスクを考慮してどのようにカバーするかを考えましょう。

破損リスク

日常生活の中で意図せずにものを壊してしまうことはあるものです。

例えば・・・

  • 子供が家の中で遊んでいる時に、投げたボールがテレビに当たってしまいテレビをこわしてしまった。
  • 模様替えをしている時に家具を倒してしまい、家具だけでなく転倒した際にほかの備品を壊してしまった。

このような場合にも修理費用や新たに購入する費用をカバーしてもらえるとすれば助かることでしょう。日常生活で起こりうる破損などの事故を保険の対象にすることができます。対象となるのは建物や家財です。建物にたいして保険を掛けておけば、偶発的な事故が起きても修理費用を補てんできます。家財に掛けておけば、前述のようなケースでもカバーできるので助かります。賃貸契約の場合には、オーナーへの賠償問題が発生するかも知れません。そのような場合には借家人賠償保険や特約を付加することができます。

破損リスクに対して保険を設定する場合、保険料がどうしても高くなります。カバーする範囲を広げれば広げるほど保険金の支払いリスクが高まるからです。破損リスクを考慮する場合には、費用対効果を考えることも大切です。育ち盛りのお子さんがいる場合など、日常生活で偶発的に建物や家財に損害が生じる可能性がある場合には、検討する価値があります。お子さんが独立し、夫婦二人になった場合には破損リスクが小さくなりますから、そのような場合には特約を解約することで保険料を節約できます。

その他リスク

地震リスク

その他のリスクとして挙げられるのが、地震リスクです。日本は地震大国とも呼ばれています。東日本大震災や熊本地震では多くの家屋が倒壊しました。地震発生リスクは年々高まっていて、かつては安全とされた地域でも地震が起きる可能性が指摘されています。地震リスクをカバーするためには地震保険に加入する必要あります。地震保険は単独では契約できないため、火災保険とセットで契約します。地震保険の補償額は火災の場合の補償よりも少なくなりますが、加入しておく価値は高いと言えるでしょう。

→地震保険について詳細はコチラ

賠償責任

別のリスクとしては賠償責任があります。例えば自転車運転中に歩行者と衝突してしまい、相手にケガをさせてしまった、ショッピングで気に行った陶器を手に取ってみていたところ、うっかり手を滑らせてしまい壊してしまった、ベランダから誤ってものをおとしてしまい、階下の人に当たってけがをさせてしまった、といったリスクがあります。

これらを賠償責任リスクと呼びますが、個人賠償責任保険を付加することでカバーできます。個人賠償責任保険の補償範囲は国内だけでなく海外での賠償責任もカバーされるため、付加価値が高いです。個人賠償責任保険は保険金額を自由に設定できるため、ライフスタイルに合わせた保険を設定できるのが魅力です。

騒じょうリスク

騒じょうリスクもあります。騒じょうとは集団による暴力行為が発生し、家などが破壊されてしまう行為を指します。

デモがエスカレートし、自宅の塀が破壊されたり、暴走族などが周囲に集まり破壊行為を行ったりすることもあります。このようなリスクも保険でカバーできます。騒じょうに対する保険は家財、家屋双方に設定できます。いつどこで発生するか分からないリスクも考えておくのが得策です。


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