東日本大震災は未曽有の被害をもたらしました。1000年に1度と言われる巨大地震は大津波をもたらし、結果として大勢の貴重な人命が奪われました。家屋などの物的な被害を含めると、その被害額は甚大です。2016年4月には熊本地震が発生し、震度7の地震が直下で繰り返し起きました。熊本地震では耐震基準を満たした家屋でさえ倒壊するという前代未聞の事故が発生し、世間を驚かせました。
このようなことが背景にあり、万一の時のための補償をしっかりしておきたいと考える人が急増しています。自然災害により建物が被災した場合には保険に加入することで補償されますが、補償範囲は火災と地震それぞれの保険で異なっています。火災と地震それぞれの保険の特色について正しく理解していない人も少なくありません。両方の保険の補償範囲や契約条件を理解してから加入するのが最善と言えるでしょう。
地震が原因の火災は地震保険ではカバーできない?
火災保険と地震保険の違いはいくつかありますが、その一つが補償内容です。火災保険は地震や噴火に起因する以外の自然災害を補償してくれますが、地震による被害については補償対象にはならないため、補償を設定していなければ家屋や家財の修理、新規購入費用はすべて自分で持たなければなりません。
東日本大震災のときに明るみに出たのが、地震保険に加入していなかったため、地震が原因で火事になったり、家屋が損傷したりした場合に補償の対象外になってしまったという事例です。保険に加入していても補償が設定されていた人とそうでない人とでは、その後の経済的な負担に大きな隔たりが生じました。地震による大災害が発生すると、義援金が募られ、被災者に対して義援金が按分されますが、一人当たりの義援金の額では到底家や家財すべてを修復したり新規購入したりはできません。こうしたリスクを考えて、補償を見直す人が増えているのです。
地震保険は火災保険とセットで加入?
火災保険と地震保険の違いとして他に挙げられるのは、火災保険は単独で契約できるのに対し、地震保険は単独では契約できず火災に対する補償とセットで加入する必要があることです。
なぜ地震に対する補償はセットで販売されているのでしょうか。その理由は地震による被害が予想できないことにあります。火災の発生リスクはある程度予想できます。確率も4000件に1件ですから、それほど大きくないことが分かります。補償額についても同様です。それとは対照的に地震については予想を立てるのは困難です。国による地震発生確率が公表されていますが、東海地震や東南海地震などの発生リスクは30年間で70パーセント以上と非常に高くなっています。
しかし東海地震は発生が危ぶまれてから既に数十年も経過していますが、いまだ発生してはいません。もし南海トラフで巨大地震が発生すると、太平洋ベルト地帯に属する多くの都市が甚大な被害を受ける可能性があります。そうなると民間の保険会社では補償しきれなくなります。
そのようなことが背景にあり、地震保険については国が保証費用を一部負担することになっています。つまり地震の発生リスクは予測不可能であり、仮に被害が発生した場合、規模によっては被害額を民間で補償することはできないため、火災保険とセットにすることで保険金の支払い時のコストを抑えるようにしているのです。
前述のように地震に対する補償は民間で賄うことができません。国が保険金支払いの際の補助を出すことで成り立っている保険です。火災に対する補償について国は一切関与していませんから、その違いは明白です。大地震による被害を全額補償することは国の補助があっても不可能です。そのため、地震保険の補償額は火災保険の半分となっています。補償額にも上限が設定されています。
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